ヘルスケアアプリケーションにおける温度センシング

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ヘルスケアセンシングは多種多様なアプリケーションをカバーします

ヘルスケアでは、生体内と生体外の両方で温度センシングが重要とされています。あらゆる診断機器や検査機器は、精度を確保するために正確な基準温度測定を必要とします。ヘルスケアにおける温度センサの用途は、医薬品開発やワクチン輸送などの極低温アプリケーションから、ガスクロマトグラフィーなどの高温アプリケーション、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌機)や滅菌器などの過酷な環境まで、多岐にわたっています。

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pH電極およびデバイスにおける温度検知アプリケーション

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水溶液が酸性なのかアルカリ性なのかを値で示すpH測定は、温度に大きく依存しています。実際のアプリケーションでは、水溶液のpH値は25℃と定義されており、他の温度でのpH測定には、温度測定と同様に高精度な温度補正が必要です。

白金測温抵抗体は、温度を正確に測定することで正確な温度を補償し、正確なpH測定を可能にします。高度なpHメーターには、非常に小さい白金測温抵抗体が内蔵されています。正確な温度測定に加え、別途温度プローブを必要としないため、設計の統合が容易です。これらのpHメーターは、自動温度補償(ATC)の高度なマイクロコントローラーを搭載しており、エラーなくリアルタイムに読み取ります。

白金測温抵抗体は、入手性がよく、リニアな特性、細径pH電極の先端に簡単に取り付ることができる小型化可能な製品です。

オートクレーブと滅菌器 - 正確な温度感知で再感染のリスクを最小限に抑えます

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医療業界では、手術器具、移植医療機器、手術用ドレープやリネンを安全に再利用するためにオートクレーブや滅菌器が使用されています。多剤耐性病原体による感染症の増加に伴い、病院や診療所だけではなく、歯科などの小規模診療所においても適切な消毒・滅菌が求められています。

多忙な医療現場のニーズに応えるため、オートクレーブと滅菌器は100~134℃間で複数のサイクルにわたって動作します。

白金測温抵抗体は、高精度と低ドリフトを特長としているため、ライフサイクル全体を通じて滅菌およびオートクレーブの厳しい条件を維持するのに役立ちます。不確かな温度測定は感染を拡大する危険性があります。一方で、過熱は医療製品の耐用期間に影響を与える可能性があります。堅牢な白金測温抵抗体を選択することで、最終製品が滅菌プロセスの過酷なサイクルタイムに耐えることができます。

白金測温抵抗体の温度検出で、正確で信頼性の高いPCB検査を可能にします

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バイオテクノロジー研究や新型コロナウィルス感染症陽性者を特定する場合でも、PCRは科学者や検査技師にとって最適な機器です。白金測温抵抗体は、サーマルサイクラーのブロックごとに、正確な温度制御をサポートし、DNA増幅の精度を向上させます。応答時間が速いため、設定温度のオーバーシュートやアンダーシュートを回避します。

サーマルサイクラーの温度精度は、PCRの結果を左右する重要な要素です。温度精度はアニーリング温度の最適化において特に重要であり、サーマルサイクラーのブロックの精度と一貫性が必要です。

Accuracy in PCR thermal cycles

温度のオーバーシュートとアンダーシュートは、より優れた高度なアルゴリズムを使用したデバイスで制御されています。これらのアルゴリズムは、温度センサから入力信号を取得しています。センサの応答時間に遅れが生じると、アルゴリズムやその他の温度制御の有効性を低下させる可能性があります。Nexensosの白金測温抵抗体は、応答時間を効果的に改善し、オーバーシュートとアンダーシュートを回避し、センサのフォームファクターの小型化を実現しています。

多くの温度センサは、時間の経過とともにドリフトが生じ、温度データの精度が低下します。PCR機器は、精度を向上するために常にセンサの校正が必要です。Nexensosの白金ベースの測温抵抗体は、低ドリフトであるため、最小限のドリフトで再現性と信頼性の高い出力を提供し、サーマルサイクラーの校正を不要にします。

極低温とコールドチェーン - センサーが物流業界の課題を解決

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ワクチンやその他生物学的製剤など、温度に敏感な医薬品に完璧なコールドチェーンを提供することは、製薬業界にとって大きな課題です。

白金測温抵抗体は、過酷な極低温センシングアプリケーションに最適です。ドライアイス(-78℃)から-200℃まで信頼性の高い高精度な温度測定を可能にします。また、低ドリフトにより、長年使用しても測定デバイスの高いデータ収集を保証します。この信頼性は、温度に敏感な生物学合成プロセスの正確なモニタリングと、出荷から保管までのコールドチェーンの安全な温度制御と監視につながります。

カテーテルおよびスマートパッチアプリケーション向け小型micro RTD

microRTD

医療技術、診断、ウェアラブルデバイスは、高感度温度測定を必要とするアプリケーションの一例です。多くの革新的な医療機器において、小型化することは重要な課題となっています。小型の温度センサで、手術創などの近くで温度を感知したり、カテーテルに直接埋め込んで創傷治癒過程をモニタリングすることができます。

一般的に、温度センサを他のセンサと組み合わせて、マルチパラメータセンシングを実現します。これにより、pHや異なるイオン濃度の電気化学パラメータやその他パラメータを検出するセンサに、正確な温度検出と信頼性の高い基準温度を提供することができます。

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エンジニアからのアドバイス

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